Question
他社から出向社員を受け入れる際、出向元の会社から出向者の個人情報を共有してもらうにあたって特別な手続きは必要ですか?
Answer
出向元から出向先へ出向者の個人情報が提供される場合、第三者提供に該当するため出向者本人と出向先の間で「個人情報の提供および利用目的への同意書」(以下、同意書)を取り交わすことが必要。
ただし出向元と出向先の間で「個人情報の共同利用」の取り決めがある場合は、例外的に同意書が不要な場合もある。
<個人情報とは>
個人情報保護法では、個人情報とは「生存する個人に関する情報であって、氏名・生年月日・その他の記述等により特定の個人を識別できるもの」と定義されています。
氏名単体はもちろん、以下のような情報も個人情報に該当します。
・氏名と組み合わせた生年月日
・連絡先(住所・電話番号・メールアドレス)
・会社における職位や所属部署に関する情報
また、個人情報の中でも特に取り扱いに注意が必要なものとして、「要配慮個人情報」があります。これは、人種・信条・病歴等、本人に対する不当な差別や偏見といった不利益が生じるおそれがある情報として法令上定められています。
<社員の個人情報を取得・利用する際の基本的なルール>
個人情報を取得する際、それが要配慮個人情報でない限りは本人から同意を得る必要はありません。ただし当該情報の利用目的をできる限り特定、利用目的を通知または公表し、取得した個人情報はその利用目的の範囲内で利用しなければなりません。
なお個人情報を第三者に提供する場合には、あらかじめ本人の同意を得る必要があります。
<出向時における個人情報の取り扱い>
出向元から出向先へ出向者の個人情報が提供される場合、これは一般的に「第三者提供」に該当すると考えられます。第三者提供には原則として本人の同意が必要なため、出向者と出向先との間で個人情報に関する同意書を取り交わす対応が必要になります。
ただし、例外として「共同利用」の仕組みがあります。グループ企業等で個人情報を共同利用すると定めている場合は、本人の同意なしに情報を提供することが可能です。この場合、以下の5項目をあらかじめ本人に通知するか、本人が容易に知ることができる状態にしておく必要があります。
- 共同利用する旨
- 共同利用する個人データの項目
- 共同利用する者の範囲
- 利用する者の利用目的
- 管理責任者の氏名または名称・住所(法人にあってはその代表者の氏名)
<今回のケース>
出向受入時の対応は、出向元と出向先の間で「共同利用」の取り決めがあるかどうかによって異なるため、まずは取り決め有無を確認する必要があります。
その上で共同利用の取り決めがない場合は、出向者本人から個人情報の提供に関する同意を得る必要があります。運用をスムーズに行うために、同意書のひな型を準備しておき、出向受入前に同意書を締結するフローを整備しておくことを推奨します。
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※本記事の内容は、掲載日時点での法令・世間動向に則ったものであり、以後の法改正等によって最新の情報と合致しなくなる可能性がある旨ご了承ください。