Question
労働者を採用する際に提示が必要な書類が複数あるようですが、それらをいつどのタイミングで、どのような内容を提示する必要があるのか教えてください。
Answer
採用時に提示すべき書類は一般的に「(1)労働条件通知書」「(2)雇用契約書」の2点です。
なお労働条件通知書の内容は労働基準法で定められており、内容に留意する必要があります。
<(1)労働条件通知書の目的・内容>
労働基準法により、賃金・労働時間などの労働条件を明示することが義務づけられています。
具体的には以下の項目が対象となります。
1. 労働契約の期間
2. 期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準
3. 就業の場所及び従事すべき業務
4. 始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇等
5. 賃金の決定・計算・支払いの方法、賃金の締切り・支払の時期、昇給
6. 退職(解雇の事由を含む)
7. 退職手当
8. 臨時に支払われる賃金、賞与など
9. 食費、作業用品などの労働者負担
10. 安全衛生
11. 職業訓練
12. 災害補償、業務外の傷病扶助
13. 表彰
14. 制裁、休職に関すること
1〜6は必ず定めなければならない絶対的必要記載事項、7〜14は制度がある場合のみ記載する相対的必要記載事項です。
なお、労働者の希望がある場合はFAXやWebメール等の方法で明示することもできます。ただし、書面として出力できるものに限られます。
<(2)雇用契約書の目的・内容>
雇用契約は、労働者が使用者に労働して対価として賃金を受け取ることを双方が合意することで成立します。
雇用契約自体は口頭でも成立しますが、トラブル防止の観点から書面での締結が推奨されます。内容に特別な決まりはありませんが、雇用契約を締結する旨に労働者・使用者双方が合意した証として署名捺印するのが一般的です。
<提示タイミングと運用のポイント>
労働条件通知書は原則として労働契約を締結するタイミングまでに提示します。一般的には内定通知時に提示し、労働者が入社検討の材料とできるようにすることが多いです。
雇用契約書は、労働条件が確定した時点から入社日までに締結します。
なお労働条件通知書と雇用契約書を一つの書類にまとめ、通知と契約を一度に済ませることは問題ありません。
<まとめ>
法令で定められている労働条件通知書の提示、記載内容をおさえれば、どのような書類をどのタイミングで渡すかは会社ごとの判断で実施可能です。
労働者側と認識齟齬なく、また自社の運用上適した形で進められるようフローを整備されることを推奨します。
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※本記事の内容は、掲載日時点での法令・世間動向に則ったものであり、以後の法改正等によって最新の情報と合致しなくなる可能性がある旨ご了承ください。