人事・労務Q&A

フレックスタイム制の社員が傷病欠勤した場合の対応

Question

フレックスタイム制が適用されている社員より、私傷病欠勤の申し出がありました。この場合、傷病欠勤は適用されるのでしょうか。また、不就労時の控除はどのように対応すれば良いでしょうか。弊社では清算期間を1か月、不足時間の繰り越しはなしとしています。

Answer

フレックスタイム制の適用者であっても、申し出が適切に行われていれば傷病欠勤として取り扱うことができます。
また、フレックスタイム制においては、清算期間の総労働時間を満たしていれば欠勤控除はできません。満たさない場合は、不足時間が発生します。清算期間が1か月かつ不足時間を次月に繰り越さない運用の場合、給与規程に基づく不足時間分を賃金から控除します。

<フレックスタイム制における給与清算のポイント>

フレックスタイム制は、労働者が日々の始業・終業時刻、労働時間を自ら決める制度です(労働基準法32条の3)。コアタイムにおける遅刻・早退・欠勤(傷病欠勤含む)を行っていても清算期間内に所定総労働時間(清算期間内で従業員が労働することを求められる合計の時間数)を満たしていれば、1日の標準の労働時間に達しない時間も欠勤扱いとならず、賃金控除の対象とはなりません。※
※就業規則に定めがあれば、コアタイムの遅刻・早退・欠勤にペナルティを課すことは可能です

清算期間における所定総労働時間と実際の労働時間との過不足が生じた場合は、状況に応じて賃金の清算を行う必要があります。

・「清算期間における所定総労働時間<清算期間における実労働時間の合計」の場合:超過した時間分の残業代を支払う
・「清算期間における所定総労働時間>清算期間における実労働時間の合計」の場合:不足時間分を賃金から控除する、または不足時間を繰り越して次の清算期間の総労働時間に加算。※
※フレックスタイム制では、清算期間内での労働時間が法定労働時間(週平均40時間)を超えないよう管理する必要があります。よって、合算後の時間(総労働時間+前の清算期間における不足時間)は、法定労働時間の総枠の範囲内とされています。

<今回のケースについて>

フレックスタイム制の適用者であっても、傷病欠勤の申請や診断書の提出等、正しい手続きが踏まれていれば傷病欠勤として取り扱われます。傷病欠勤として取り扱われることで、例えばコアタイムが欠けていても勤務状況は問題ない等、制度上の不利益を避けられることもあるでしょう。

また、今回のケースにおいては、清算期間内で所定総労働時間を満たす場合控除はないものの、満たさない場合は賃金控除が必要です。

例)1か月の所定総労働時間が160時間である場合に実労働時間が150時間だった場合、10時間が不足時間。不足時間に対する控除額は、給与規程に基づき計算される。例えば、時間単価を2,000円としている場合、不就労控除額は10時間×2,000円=20,000円。

<まとめ>

フレックスタイム制は日々の始業・終業時刻、労働時間を労働者に委ねる制度ですが、使用者においては実労働時間を把握し、適切な労働時間管理や賃金清算を行う必要があります。

 

<参考(2026.04.14閲覧)>
厚生労働省:フレックスタイム制 のわかりやすい解説 & 導入の手引きhttps://www.mhlw.go.jp/content/001140964.pdfPDF